【分析手法】N1分析の重要性と手法を解説! 5セグマップ・9セグマップで顧客を徹底分析

現代の市場は、顧客のニーズがますます多様化し、従来の一律なマーケティング手法では、顧客の心をつかむことが難しくなってきています。そんな中、注目を集めているのが西口一希氏が自著『顧客起点マーケティング』で提唱している「N1分析」です。

本記事では、N1分析の重要性と、N1分析に活用される5セグマップ・9セグマップについてご紹介します。

N1分析は、サンプルサイズが「1」であることを特徴とするマーケティングリサーチ手法です。一般的な調査は多くのサンプルを対象にして統計的な分析を行いますが、N1分析では一人の消費者やユーザーに深くフォーカスします。具体的には、インタビューや行動観察を通じて、その人がどのように製品やサービスを使用し、どのような課題やニーズを持っているのかを探ります。

なぜN1分析が重要なのか?

  • 顧客満足度の向上:顧客一人ひとりのニーズに合わせた商品やサービスを提供することで、顧客満足度を大幅に上げることができます。
  • ロイヤルカスタマーの育成:顧客との深い関係性を築き、ロイヤルカスタマーへと育成することができます。
  • 新規顧客の獲得:顧客の声を基に商品やサービスを改善することで、競合他社との差別化を図り、新規顧客を獲得することができます。
  • 製品開発の効率化:顧客の生の声を製品開発に活かすことで、無駄なコストを抑え、より顧客のニーズに合った商品を開発することができます。

N1分析における必須の2つのフレームワークと活用方法

N1分析を成功させるためには、目的に合った顧客の状態を正しく分析することが重要です。顧客の状態を分類・可視化し、商品・サービスに関する仮説を構築します。その後、特定のセグメントから1人の顧客を選び、分析を行い仮説を検証します。


顧客の状態を整理し、N1分析の効果を高めるために5セグマップと9セグマップという2つのフレームワークが広く活用されています。下記では、それぞれのフレームワークとその活用方法についてご紹介します。

5セグマップ

5セグマップは、市場を顧客の購買意欲に基づいて5つのセグメントに分けるフレームワークです。これらのセグメントは「ロイヤル顧客」「一般顧客」「離反顧客」「認知・未購買顧客」「未認知顧客」に分類されます。このピラミッド構造は、顧客がどの階層に位置しているかを把握し、それに基づいた施策を立案する際に役立ちます。特に、どのようにして下位の顧客層を上位に引き上げるか、または顧客を離反させないための対策を考える際に、このフレームワークは効果的です。

例えば、ロイヤル顧客を維持するための施策や、一般顧客をロイヤル顧客に育てるためのマーケティング戦略を考える際に、5セグマップが利用されます。市場の全体像を俯瞰し、各セグメントの顧客に対する適切なアプローチを設計する上で、シンプルかつ有効なツールとして機能します。

9セグマップ(5セグマップにブランド選好の軸を加えた詳細な顧客分析)

9セグマップは、5セグマップの基本構造に「次回購買意向(ブランド選好)」の要素を加え、さらに詳細な顧客分析を行うフレームワークです。これにより、単に現在の顧客層を理解するだけでなく、彼らの将来的な購買意欲やブランドに対する期待を把握することが可能になります。具体的には、顧客を「積極ロイヤル顧客」「消極ロイヤル顧客」「積極一般顧客」「消極一般顧客」「積極離反顧客」など、さらに細かいセグメントに分類し、各セグメントに適したマーケティング戦略を設計します。

9セグマップは、ブランドの現状を把握するだけでなく、将来的な顧客の動向を予測し、それに基づいた戦略を立案する際にも役立ちます。例えば、ロイヤル顧客に対して次回購入を促進するための施策を考えたり、離反顧客の再獲得を目指したマーケティングプランを策定したりする際に、このフレームワークが活用されます。

N1分析の成功事例

  • 新商品開発(A社の事例):ある化粧品メーカーは、N1分析によって、顧客が求めるのは「肌へのやさしさ」と「自然な仕上がり」であることを突き止め、新しい商品開発に活かしました。
  • 顧客ロイヤルティ向上(B社の事例):ある小売業者は、N1分析で顧客の購買行動を分析し、顧客一人ひとりに合わせた商品推薦を行うことで、顧客の囲い込みに成功しました。

まとめ

本記事では、N1分析の重要性と、5セグマップ・9セグマップについてご紹介しました。

N1分析は、マーケティングリサーチにおける個別消費者の深い理解を目的とした重要な手法です。定性的なデータに基づいて消費者の行動やニーズを深掘りすることで、新しい製品開発やパーソナライズされたマーケティング戦略の基盤となります。ただし、サンプルの限界を理解し、他の分析手法と組み合わせて活用することが重要です。正しくN1分析を活用し、顧客をより理解したマーケティング活動に活用しましょう。

N1分析の落とし穴 〜代表性の問題〜

N1分析は、1人の顧客を深く掘り下げることで、貴重なインサイトを得られます。しかし、たった一人の意見を全体に当てはめるのは危険です。サンプル数が少なく、特定の顧客に偏る可能性があるため、全体を代表する結果とは限りません。

より正確な顧客像を描くためには、複数の顧客を対象とした調査と組み合わせることが大切です。N1分析の結果は、あくまで一つの視点として捉え、他のデータと照らし合わせるようにしましょう。

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