【分析手法】コレスポンデンス分析入門：クロス集計データを可視化する

マーケティングやデータ分析において、膨大なデータから消費者の行動やニーズを把握することの重要性はますます高まっています。中でも、データの関係性を視覚化し、カテゴリー間の類似性を解析するコレスポンデンス分析は、製品やサービスに対する消費者の認識を視覚的に理解しやすい手法です。

本記事では、コレスポンデンス分析の基本概念や応用方法、ビジネスへの活用事例について詳しく解説します。

コレスポンデンス分析は、クロス集計表を元に結果を図化(マッピング)するための手法です。主にマーケティングや消費者行動分析などに用いられ、製品やサービスに対する認識や意識の違いを把握するために使われます。

項目/カテゴリ間の関連度合いが視覚的にわかる

コレスポンデンス分析は、クロス集計表のデータを基に、行と列に並んだカテゴリの関連性を視覚的に示します。データを2次元マップ上にプロットすることで、各カテゴリ間の関係性を直感的に把握できるのが特徴です。

自社ブランドと競合ブランドのポジション把握

市場での各ブランドの位置づけを視覚化することで、戦略的なマーケティング判断がしやすくなり、ブランドの強みや改善点の把握に役立ちます。

視覚的に分かりやすい分析結果

複雑なクロス集計表のデータを視覚化することで、どの製品がどのイメージに関連しているかを一目で把握できます。これにより、データの全体像を理解しやすくなり、ビジネスの意思決定の際に役立ちます。

コレスポンデンス分析の実例

下記はあるアンケート結果のクロス集計表です。

表1.アンケート結果のクロス集計表

この表は、消費者が各製品に対してどのようなイメージを持っているかを示しています。このようにクロス集計表の項目が多くなると、全体の関連性を把握するのは困難です。そこで、コレスポンデンス分析を使って、これらの関係を視覚化します。

図1.コレスポンデンス分析の結果図

このプロットでは、各製品がどのようなイメージに関連しているかが視覚的に示されています。例えば、C商品とD商品は「最新」「高機能」「高い」と強く関連し、A商品やB商品は「定番」「使いやすい」「店頭で見る」といったイメージが強いことが分かります。

コレスポンデンス分析の活用先

ブランドポジショニング

• ブランドと消費者のイメージを掛け合わせて分析。
• 自社ブランドと競合ブランドの位置関係を視覚化。
• 競合との差別化ポイントを明確にし、マーケティング戦略を改善。
• ブランドの強みを強調するための施策を立案。

消費者調査の視覚化

• 消費者のイメージと性別・年代などの属性を掛け合わせて分析。
• アンケート結果をもとに、消費者が製品やサービスに持つ評価を視覚化。
• 性別や年代ごとの行動や意識の傾向を把握し、ターゲット戦略を強化。
• 特定の層に対するマーケティング施策を最適化。

コレスポンデンス分析のメリットと課題

注意点

• クロス集計表での解釈とは異なる結果に見える事がある
  視覚化の過程で情報が圧縮されるため、元のデータとは違った解釈が生じることがあります。

• 相対的な関係が把握できる一方、絶対的な大小はわからない
  コレスポンデンス分析の図のみでスコアの大小や項目毎のn数の違いを読み取ることはできません。

• 縦軸・横軸の意味には分析者の解釈が必要
  グラフの軸が何を意味するかは固定されておらず、分析者がその意味を解釈する必要があります。

コレスポンデンス分析　⇒　データの可視化

　　　結果を正確に把握するためには、クロス集計表と併せて活用することが重要です。

まとめ

本記事では、コレスポンデンス分析を用いたデータの視覚化手法を解説しました。

この分析により、消費者の認識やブランドのポジションを直感的に把握しやすくなります。ビジネスの戦略決定に役立つ一方で、結果の解釈には慎重さが必要です。適切な分析を行い、データの示す意味を正確に理解できるよう活用しましょう。

広告マネタイズプラットフォームの「SKYFLAG」を導入しているマンガアプリやゲームアプリなどさまざまなサービスで構成される独自のモニタからアンケート回答を取得できるマーケティングリサーチサービスです。

従来のアンケート回収の基盤となっているポイントサイト以外のユーザーからアンケート聴取ができるため、より市場の声に近い調査を行うことができます。